TONE OF DREAMS / KNOWLEDGE ARCHIVE
STORIES
JOURNAL / STORY 02
TOKAI / 1977–1979
JOURNAL / STORY 02
NOVEMBER 1 / THE ANNOUNCEMENT

11月1日の告知。

いまではJapan Vintageの名で知られるSpringy Sound。 しかし1977年、それはまだ歴史ではなく、 東海楽器がこれから市場へ送り出そうとしていた新しいギターでした。 当時の広告と資料から、その最初期を読みます。

11.01
まだ伝説に、
年表はなかった。
TOKAI ELECTRIC GUITAR
SPRINGY SOUND / EARLY ST SERIES

その日、まだ“Japan Vintage”ではなかった。

古いギターを見ると、 私たちはどうしても現在の評価から過去を眺めてしまいます。 希少性、中古相場、そしてJapan Vintageという呼び名。

しかし1977年のSpringy Soundは、 まだそのどれも持っていませんでした。 東海楽器がこれから市場へ送り出そうとしていた、 新しい製品だったのです。

その瞬間を知るためには、 後世に作られた年表ではなく、 当時その場で使われていた言葉を見る必要があります。

ARCHIVE DOCUMENT 01

11月1日
衝撃のデビュー!!

TOKAI / PERIOD ADVERTISEMENT
NOVEMBER 1
EARLY ST SERIES

Tokai 11月1日衝撃のデビュー広告
PERIOD ADVERTISEMENT / TOKAI — 紙面上部には「11月1日衝撃のデビュー!! FROM TOKAI」と記されている。
READING 01 / THE WORD “DEBUT”

「発売」ではなく、
「デビュー」と書かれている。

この広告に残されているのは、 「11月1日 衝撃のデビュー!!」という表現です。

ここでTone of Dreamsは、 この「デビュー」をそのまま残します。 製造開始日、初出荷日、全国一斉発売日といった別の意味へ、 後から置き換えることはしません。

当時の広告が選んだ言葉そのものを残すことで、 Springy Soundが市場へ登場したときの空気を、 余計な解釈を加えずに見ることができます。

DOCUMENT FACT

この資料から直接確認できるのは、 「11月1日」と「衝撃のデビュー!!」という広告表現です。 製造開始、初出荷、全国流通開始の正確な日付は、 この広告だけからは確定しません。

広告は、何を新しく見せようとしたのか。

紙面には大きなギター写真だけでなく、 1954年製Stratocasterの参照個体、 そして「Exact Replica」という強い言葉が置かれています。

ここから見えるのは、 単なる新製品の価格や仕様を知らせる広告とは少し違う姿です。 Tokaiは「何を作ったのか」と同時に、 「何を基準として作ったのか」まで見せようとしていました。

確認できること

広告には11月1日という日付、 1954年製参照個体、初期STの写真が掲載されています。

ここで見ること

Tokaiが新製品の説明だけでなく、 その背景となる参照対象まで広告に持ち込んだ点です。

分けて考えること

広告表現と、実際の製造・流通時期は 同じ情報として扱いません。

ARCHIVE DOCUMENT 02

ELECTRIC
GUITAR MANUAL
Vol.1

TOKAI ELECTRIC GUITAR PROJECT TEAM
EARLY REFERENCE MATERIAL

Tokai Electric Guitar Manual Vol.1
ELECTRIC GUITAR MANUAL Vol.1 — 初期Tokai Electric Guitar Project Teamによる資料の表紙。
READING 02 / FROM ANNOUNCEMENT TO KNOWLEDGE

ギターを売るだけではなく、
情報まで伝えようとしていた。

「ELECTRIC GUITAR MANUAL Vol.1」というタイトルは、 単なる製品カタログとは異なる性格を感じさせます。

Springy Soundを紹介するだけでなく、 Electric Guitarそのものをどう理解するのか。 Vintage Stratocasterの特徴をどのように捉えるのか。 初期Tokaiの資料には、 製品と知識を同時に提示しようとする動きが見えます。

広告によって「デビュー」を告げた後、 そのギターの背景や構造を説明する資料が存在する。 ここでSpringy Soundは、 一枚の広告から、より体系的な情報へと広がっていきます。

1978年。
一つの名前が、シリーズとして見えてくる。

1978年の資料では、 ST-42、ST-50、ST-60、ST-80、ST-100という 複数の価格帯を持つモデル構成を確認できます。

ここでSpringy Soundは、 一機種だけの話題商品ではなく、 選択肢を持った一つのシリーズとして姿を見せます。

MODEL ST-42
MODEL ST-50
MODEL ST-60
MODEL ST-80
MODEL ST-100
STRUCTURE Multiple price / specification levels
ARCHIVE DOCUMENT 03

EXACT REPLICA
OF THE ORIGINAL STRAT.

TOKAI ELECTRIC GUITAR
ST SERIES
EARLY PROMOTIONAL MATERIAL

Tokai Electric Guitar ST Series early advertisement
TOKAI ELECTRIC GUITAR ST SERIES — 初期STシリーズの特徴を大きな写真と文章で説明した資料。
READING 03 / THE SERIES TAKES FORM

「一つのギター」から、
「選べるSTシリーズ」へ。

この資料では、 STシリーズそのものが大きく前面へ出ています。

ネック、ボディ、Pickup、Bridge、塗装。 1954年型への参照を軸にしながら、 ST-42からST-100まで、 価格と仕様を変えた複数モデルとして展開されていきます。

つまり1977年の「デビュー」という一瞬から、 1978年にはシリーズとして選べる状態へ。 Springy Soundは短い期間の中で、 一つの新製品から製品体系へと姿を変え始めました。

11月1日は、
完成した伝説の日ではない。
物語が始まった日だった。

TONE OF DREAMS / JOURNAL STORY 02
TONE OF DREAMS / JOURNAL STORY 02 / 1977–79
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