1950s TYPE
初期Stratocasterを意識した方向。
1979年。 Springy Soundはすでに、一つのギターだけを指す名前ではなくなっていました。 モデル、価格、仕様。 さらに、どの時代のStratocasterを見るのか。 当時の資料を追うと、Tokaiの選択肢が少しずつ枝分かれしていく過程が見えてきます。
増えたのは、MODEL / PRICE / SPECIFICATION
モデルだけではなかった。
1977年の広告では、 Springy Soundの「デビュー」が強く打ち出されていました。 そこにあったのは、新しいギターが登場する瞬間の熱気です。
それから時間が進み、 1979年1月現在の「TOKAI ELECTRIC GUITAR MANUAL VOL.2」を見ると、 景色は変わっています。
ST-42、ST-50、ST-60、ST-80、ST-100。 同じST Seriesの中に、 複数の価格、仕様、仕上げを持つモデルが並んでいます。 カタログは単に一本の新製品を紹介するものから、 製品体系そのものを説明するものへ広がっていました。
このStoryでは、 どのモデルが「上」なのかを決めるのではなく、 Tokaiが一つのStratocaster像から、 どのように複数の選択肢へ広げていったのかを読みます。
STという一つのシリーズ名の下に、 複数のモデルが置かれています。 しかし、その中身まで一つではありません。
Neck、Body、Pick-up、Tuner、Nut、Finish。 当時の資料では、 モデルによって異なる仕様が設定されていることが確認できます。
ここで大切なのは、 モデル番号を単純な格付けとして見ることではありません。 どの部分に、どの仕様を与えるのか。 価格の違いの背後には、 Tokaiが組み立てた製品設計があります。
当時資料では複数のSTモデルについて、 Neck、Body、Color、Pick-up、Switch、Tuner、Nut、Finishなどが モデル別に整理されています。 同じモデル番号でも年代によって仕様が変わる可能性があるため、 年式と資料を組み合わせて確認する必要があります。
初期のSTシリーズでは、 ST-42、ST-50、ST-60、ST-80、ST-100など、 当時の価格と結びついたモデル番号が使われています。
そして資料を追うと、 ST-55N、ST-65N、ST-85Nなどの名称も現れます。 製品体系は固定されたままではなく、 時期とともに更新されていました。
さらに重要なのは、 数字だけが違うのではないことです。 ネック形状、塗装、Pickup、Hardwareなど、 実際の仕様にも違いが与えられています。
モデル番号は、 当時の価格体系と強く結びついています。
木材、塗装、Pickup、Hardwareなど、 価格以外にも複数の差が存在します。
同じモデル番号を、 全年代で同じ仕様として扱わないことが重要です。
モデル一覧だけを見れば、 ST-42からST-100までの違いは 数字や価格の差に見えます。
しかし当時のカタログは、 ギター全体だけではなく、 Neck、Bridge、Pickup、Body、 さらに内部の電装まで見せています。
外から見える形だけではなく、 演奏者の手に触れる部分、 音に関わる部分、 そして普段は見えない内部まで説明する。
そこから見えてくるのは、 「Vintageらしい外観」を一種類つくっただけではなく、 一つのST Seriesの中に 複数の仕様を持たせていたという事実です。
モデルの増加は、 単に予算別の商品を増やしたということだけではありません。
MapleとRosewood。 U shapeとV shape。 PolyurethaneとLacquer。 Pickupの違い。 Hardwareや仕上げの違い。
「どのSTを買うか」という選択は、 どの仕様を選ぶのか、 どの感触を選ぶのかという選択でもありました。
Springy Soundは、 一つの完成形をそのまま複製していくシリーズではなく、 共通する考え方の中に 異なる仕様を持つ製品体系へ広がっていきます。
1979年1月現在のElectric Guitar Manual Vol.2には、 ST Seriesとは異なる姿を持つSS-36も掲載されています。
ラージヘッド、 ブラックのピックガード。 一目見ただけでも、 Springy Soundが強く意識していた初期Stratocasterとは 異なる時代の特徴が見えてきます。
これは、 単にモデルが一つ増えたという話ではありません。
Springy Soundだけを見ていると、 Tokaiが見ていたStratocaster像は 一つだったようにも見えます。 しかしSS-36まで視野を広げると、 同じStratocasterタイプの中でも、 参照する時代そのものが広がり始めていたことが分かります。
1979年1月現在のElectric Guitar Manual Vol.2に、 SS-36が掲載されています。
ラージヘッドなど、 ST Seriesとは異なる時代的特徴を見ることができます。
モデルの多様化だけではなく、 参照するStratocasterの年代そのものが 広がっていたと読みます。
違っていたのは、
仕様だけではない。
見ていた時代も違っていた。
1979年のSS-36で見えていた、 Springy Soundとは異なるStratocaster像。 その違いは、 後の資料ではさらに分かりやすい形で整理されていきます。
1981年前後の資料では、 TokaiのStratocasterタイプが Vintage、Oldies、Modernという言葉で示されます。
ここで製品選択の意味は、 価格や個別仕様だけではなく、 「どの時代のStratocasterを見るのか」という違いへ さらに広がっていきます。
初期Stratocasterを意識した方向。
1960年代の特徴を意識した方向。
Silver Starへつながるラージヘッド系。
一つの名前では、
一本を説明できない。
Model、Price、Neck、Pickup、Finish。 そして、どの年代のStratocasterを見ているのか。
1979年のElectric Guitar Manual Vol.2を見ると、 TokaiのStratocasterタイプはすでに、 一つのSpringy Soundという名前だけでは 語れないところまで広がり始めています。
さらに時代が進むと、 その違いはVintage、Oldies、Modernという 「参照する時代」の違いとしても整理されていきます。
だから現在残っている一本を見るときも、 LogoやModel Nameだけで判断することはできません。 年式、モデル、仕様、 そして実際にその個体に何が残っているのか。
一つずつ確かめることで、 初めてその一本がどこにいたギターなのかが見えてきます。