TONE OF DREAMS / KNOWLEDGE ARCHIVE
STORIES
JOURNAL / STORY 01
TOKAI ST / 54→77
JOURNAL / STORY 01
SPRINGY SOUND / FROM ONE GUITAR TO A SERIES

一本の1954年製から始まった。

Springy Soundの出発点を辿ると、 一つの具体的な1954年製Stratocasterへ行き着く。 当時資料から、Tokaiが何を見て、 何を再現しようとしたのかを読み解きます。

54→77
一本を写したのではなく、
一本から考え始めた。
TOKAI ELECTRIC GUITAR PROJECT TEAM
SPRINGY SOUND / ST SERIES

まだ「ヴィンテージ」が、共通語ではなかった頃。

いまなら、1950年代のStratocasterが特別な存在であることを、 多くのギタリストが知っています。 ネック、ボディ、塗装、ピックアップ、金属部品。 製造年によって違いがあることも、 写真や資料から調べることができます。

けれど1970年代の日本では、 海外の古いギターを実際に見る機会そのものが多くありませんでした。 当時の現行品と、1950年代に作られた一本は何が違うのか。 その答えを知るには、 実物を前にして確かめることが重要でした。

ARCHIVE DOCUMENT 01

11月1日
衝撃のデビュー

TOKAI / PERIOD ADVERTISEMENT
STRATOCASTER #0896
EARLY ST SERIES

Tokai 11月1日衝撃のデビュー広告
PERIOD ADVERTISEMENT / TOKAI ELECTRIC GUITAR PROJECT — 紙面には1954年製Stratocaster #0896が参照個体として掲載されている。
READING 01 / THE REFERENCE

「1954年型」ではなく、
一つの具体的な個体を見る。

この広告で重要なのは、 単に1954年型Stratocasterの再現を訴求していることだけではありません。 紙面には1954年製Stratocasterが写真付きで示され、 その個体が参照対象として扱われています。

つまりSpringy Soundの起点には、 抽象的な「Vintage Strat」という概念より先に、 実際に存在する一本を観察する行為があったと読むことができます。

DOCUMENT FACT

添付の広告紙面では、 参照された1954年製Stratocasterについて 「#0896」と記載されています。 所有履歴や入手経緯については、 別資料による継続確認が必要です。

一本の1954年製が、開発の基準になった。

初期資料では、 1954年製Stratocasterが初期ST開発の参照個体として紹介されています。 現時点で重要なのは、 Tokaiが「1954年型」という記号だけを追っていたのではなく、 実物の一本を基準としていたことです。

一方で、その個体の所有履歴や入手経緯、 開発チームへ渡った時期などについては、 確認できる資料と未確認情報を分ける必要があります。

確認できること

初期広告には1954年製Stratocasterが 参照個体として写真付きで掲載されています。

慎重に扱うこと

所有履歴、入手国、入手時期、 開発へ渡った具体的経緯は別資料による確認が必要です。

ここで見ること

Tokaiがその一本のどこを観察し、 STシリーズへどう展開したのかを追います。

ARCHIVE DOCUMENT 02

Tokai
’54 Strat.

TECHNICAL ILLUSTRATION
PEG / HEAD / STRING GUIDE
PICKUP / BRIDGE / CONTROL

Tokai 54 Strat technical illustration
TECHNICAL / PROMOTIONAL MATERIAL — 1954年型Stratocasterを構成する各部を個別に説明した資料。
READING 02 / OBSERVATION

外形だけではなく、
構成要素へ分けて見る。

この資料では、 Peg、Head、String Guide、Truss Rod、Pickup、 Bridge、Controlといった要素が個別に取り上げられています。

ここから見えるのは、 完成した外観だけを似せるという発想ではありません。 一本のギターを複数の構成要素へ分け、 それぞれに1954年型らしさを見出そうとする姿勢です。

形状、素材、構造、音。 Springy Soundを理解するには、 「コピー」という一語より、 何を観察し、何を採用したのかを見る方が実態に近づきます。

一つの個体を、製品として成立させる。

実物を観察することと、 それを量産されるギターとして成立させることは別の仕事です。

ボディのコンター、ネック形状、ヘッド、 トレモロ、ピックアップ、ペグ。 Vintageの特徴を読みながら、 製造可能性、価格、演奏性まで含めて 一つのシリーズへ落とし込む必要があります。

ここでSpringy Soundは、 「一つの1954年製を観察するプロジェクト」から、 複数のモデルを持つ製品体系へ進み始めます。

ARCHIVE DOCUMENT 03

REBORN
OLD

TOKAI ELECTRIC GUITAR
ST-42 / ST-50 / ST-60
ST-80 / ST-100

Tokai Reborn Old ST Series advertisement
ST SERIES PROMOTIONAL MATERIAL — ST-42 / 50 / 60 / 80 / 100へ展開されたシリーズ構成を確認できる。
READING 03 / FROM ONE TO A SERIES

一本の観察から、
五つのSTへ。

REBORN OLDの資料では、 ST-42、ST-50、ST-60、ST-80、ST-100という 複数のモデルが並びます。

同じ1954年型Stratocasterを出発点としていても、 すべてを同一仕様で作ったわけではありません。 価格、部材、Pickup、塗装、仕上げなどに差を持たせ、 一つの参照対象から複数の製品を成立させています。

ここにSpringy Soundの面白さがあります。 一つのVintage Guitarをそのまま複製するのではなく、 そこに見出した特徴を整理し、 STシリーズという体系へ変換していったのです。

一本を写したのではなく、
一本から考え始めた。

TONE OF DREAMS / JOURNAL STORY 01
CONCLUSION / 54 → 77

Springy Soundは、
一つの観察から始まった。

1954年製Stratocasterという具体的な一本を見る。 各部を観察し、その特徴を理解する。 そして、それをSTシリーズという複数のモデルへ展開する。

Springy Soundの価値を読むとき、 完成した外観だけを見るのでは足りません。 その背後にある「何を見て、何を残し、 どこを製品として再構成したのか」という過程まで見ることで、 一本ごとの違いが初めて意味を持ちます。

TONE OF DREAMS / JOURNAL STORY 01 / 54→77
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